日野市立図書館

公立図書館の歴史を拓いた「日野市立図書館」

公共図書館とは、市町村立によって経営される図書館です。中でも、1965年、1台の移動図書館「ひまわり号」から活動をスタートさせた東京郊外の「日野市立図書館」は、「いつでも、どこでも、誰にでも、何でも」利用できる市民の図書館として、日本の公共図書館史を切り拓く役割を果たしました。

 

この活動のけん引役は、1963年に発表され、公共図書館界の今後に多大な影響を与えた『中小都市における公共図書館の運営(中小リポート)』作成の中心メンバーである有山ッと前川恒。

 

「ひまわり号」は、稼働から7カ月後には、登録者数が同規模の自治体の約3.54倍、全国平均の3.00倍に。貸し出し冊数においても、前者の3.59倍、後者の3.93倍に。利用者に寄り添うことを念頭に置いた目覚ましい実績から、有山ッと前川恒を中心に創出された初の“みんなの図書館”として全国の注目を浴び、その後の公共図書館の先例となりました。

 

「ひまわり号」の立ち寄り先のうち、利用者の多い場所には分館が作られ、その数は、現在、中央図書館を中心として、7館に上ります。最寄りの図書館にない本も、他の分館から取り寄せてもらえるのはもちろん、隣接する八王子市・府中市・調布市・町田市・多摩市・稲城市に在住か、通勤・通学する人なら、誰でも利用が可能です。

 

日本で最も貸出し冊数の多い図書館

 

現在においても、日本で最も貸出し冊数の多い図書館の一つとして知られる日野市立図書館。最も力を入れているのはレファレンス(質問&回答)サービスで、2階のワンフロアすべてがレファレンスに充てられ、調べ物に集中できるよう個別のデスクも設置されています。

 

図書館の入口近くには「テーマによる本の展示」コーナーが設けられ、1カ月ごとに分館に巡回展示をするなど、図書館としての主張もさりげなくアピール。館内には児童コーナーやパソコンコーナー、学習コーナーはもちろん、地場産業の支援を目的とした「ビジネス支援」などのコーナーも設置されています。

 

「ひまわり号」は現在、1台のみ。移動図書館の貸し出し冊数は、2009年の時点で、図書館の貸出し冊数の1.39%と大きく下回りましたが、現在も巡回活動を続けています。