図書館司書 心構え

図書館司書の心構え

職業的倫理感


図書館司書に限らず、どのような職業に就いたとしても守るべき規範は存在します。特に専門職と呼ばれるような職種であった場合、守るべき規範を文章化した倫理綱領といったものが定められており、その職業者達は自主的に守ることが義務付けられています。

日本において図書館司書は専門職としての位置づけが明確にはなっていませんが、図書館業界の全国的団体である日本図書館協会では1980年に「図書館員の倫理綱領」を正式に定めました。

その中身は、当然守るべきことであり、これまで実際に長きに渡って守られてきたことになります。言い換えれば、これまでの図書館における実践が明文化された内容だともいえるでしょう。

図書館員の倫理綱領について

倫理綱領では、図書館員の基本的な資質に関わる部分では「社会の期待と利用者の要求を基本的なよりどころとして職務を遂行すること」が求められています。

具体的に言うならば、利用者と資料に対する責任を全うすることなど、図書館業務全体に関して言及されており、他にも組織の一員としての責任や図書館同士の理解や協力、文化創造への取り組み、図書館業務を支える上での責任や研鑽が求められています。

この倫理綱領については、図書館司書以外の図書館に勤務する社員も当然守るべき規範であり、そういった意味合いも込めて「図書館司書」ではなく「図書館職員」の倫理綱領となっています。

図書館の自由に関する宣言

倫理綱領の中で書かかれている利用者に対する責任事項については、倫理綱領を明文化した組織と同じ「日本図書館協会」によって1954年に制定、1979年に改訂された「図書館の自由に関する宣言」とも関連しています。

この宣言の内容は、以下の通りです。

第一:図書館は資料集の自由を有する。第二:図書館は資料提供の自由を有する。第三:図書館は利用者の秘密を守る。第四:図書館はすべての検閲に反対する。図書館の自由が何者かによって侵されるとき、我々は団結して自由を守る。

1953年の宣言に第三の内容が書き加えられて、1979年に宣言が改訂されました。その背景には、図書館の本を図書館員が勝手に貸出しを禁止したり、利用者の守秘義務が危うくなるような事件が起こったり、差別図書の回収など図書館の自由が脅かされるような事件や問題が多発したことがあったのです。

この宣言を知るうえで大切なことは、図書館や図書館職員(司書含む)のための自由ではなく、図書館利用者の観点から自由を守ることが求められている点になります。

「図書館員の倫理綱領」と「図書館の自由に関する宣言」は単純な題目でははく、職務において必ず守らなければならないことであり、日常の業務を見直す目的でも使うべきなのです。

現在図書館で働いている方や、今後司書を目指そうと考えている方は、この2つの規範の本文は是非とも読んで頂きたいと思います。