日本最古の図書館

日本最古の図書館

図書寮について

日本最古の図書館は、8世紀の律令制の時代に誕生した「図書寮(ずしょりょう)」です。一般大衆のために開かれた施設ではありませんでしたが、「文殿(ふみどの)」に、国家の蔵書や仏教・儒教関連の書物(典籍)などを保管。併せて国史の編纂、図書の装丁、仏像の管理も行っていました。

 

初の公開図書館は、奈良時代後期、大納言まで登りつめた貴族、石上 宅嗣(いそのかみのやかつぐ)が平城京に創設した私設図書館「芸亭(うんてい)」です。好学の士にたいして蔵書を開放、教育機関としての機能も持っていました。

 

その後、平安時代にはいくつかの文庫が設立されましたが、士族のためのもので、一般公開はなされませんでした。鎌倉時代には、北条実時が私設図書館「金沢文庫」を設立。一般の人びとにも貸し出しを行いました。現在、「神奈川県立金沢文庫」として稼働再興されたのはご存知の通りです。

 

室町から戦国時代の関東の最高学府といわれる「足利学校」(現・栃木県足利市)は、学校図書館の機能をもっていました。明治期に廃校となりましたが、その後、建物や庭園が復元され、現在は、地元の生涯学習の場として活用されています。

 

江戸時代の図書館

江戸時代に入ると、徳川家康が江戸城内に「富士見亭文庫」(のち、移転によって紅葉山文庫」の呼称に)を創設、当代きっての学者・林羅山に管理を命じました。1633年、書物奉行の誕生によって、蔵書管理や目録編纂といった図書館らしい管理形態へと発展していきました。

 

同じころ、江戸では、板坂下斎(いたさか ぼくさい)による私設の「江戸浅草文庫」、仙台でが「青葉文庫」など、一般公開を行う私設文庫が出現。寺子屋が生まれ、一般大衆からも学問を志す者が出るようになりました。

 

前出の林羅山が生前に創設した私塾は、1797年、幕府直轄の「昌平坂学問所」へと発展、「紅葉山文庫」の蔵書が加わった上、全国から献本された新刊図書の集積地となりました。

 

とはいえ、幕藩体制下、公開図書館を利用できる人は多くなく、一般大衆に親しまれたのは、貸本屋です。有料ではあるものの、公開図書館の代替機能を持つもので、読書の愉しみを、広く大衆に知らしめました。

 

明治期の1872年には、わずか10年の開館でしたが、わが国初の公共図書館といわれる「京都集書院」が、福沢諭吉らの構想によって創設されています。