図書館司書 現状

図書館司書の現状について

全国の図書館数は、1990年の1898館に対して、2012年には、3214館にも増えています。いずれも、カフェの併設や閲覧席の増加、午後9時までのオープンなど利用者のニーズを強く意識しての開館です。

 

半面、図書館に勤務する図書館司書の正規雇用は、増えるどころか減じており、非正規雇用にとって代わられています。自動貸出し機の登場など、業務の部分的なアウトソーシングは増加の一途。指定管理者への委託によって、図書館長ごと入れ替わった館もあります。

 

公立図書館で司書の求人が行われる場合、そのほとんどは、非常勤職員に占められています。公務員試験の突破が条件の正規採用ともなると、試験の倍率は数10倍にものぼり、マスコミがとりあげるほどの話題となりますし、図書館司書の有資格者であっても、非常勤(パート・アルバイト)として勤務する人が圧倒的なのです。

 

このような現状から、図書館司書の現状は、厳しい状況に立たされているといって差し支えありません。ある図書館では、正規の職員が数年で異動となるため、実務を掌握しているのは非常勤、レファレンスサービスの担当者も非常勤という、逆転現象が起きています。

 

ただ、図書館司書の非正規雇用は、最近に始まったことではありません。2013年4月、大阪地裁では、2001年まで10年間、正規職員と同様に、週5日、
図書館司書として勤務してきた非常勤の人への退職手当支給を拒否した堺市に対し、支払いを命じる判決を下しました。市は控訴しています。

 

2013年12月には、福岡高裁でも、33年間、非常勤として大分県の学校図書館に勤務した図書館司書に対し、1000万円にのぼる退職金の支払いを、中津市に命じています。

 

図書館司書の資格をもちながらも、正規職員になれなかったばかりに、低賃金、かつ、不安定な労働条件のもとに置かれる「官製ワーキングプア」と呼ばれる人々に対し、改善策のための法制度の改正が求められている状況です。