公共図書館

公共図書館の成立と発展

アメリカ最古の図書館「ボストン公共図書館」は、1848年の創設。無料・公開・公費支弁・法的根拠をもつ、公共図書館の始まりとなった図書館ともといわれています。

 

わが国では、福沢諭吉が、1866年、自著『西洋事情』において西欧の図書館を紹介したことが契機となって、1872年、政府が「書籍館(しょじゃくかん)」の設置を認可。

 

「書籍館」は、江戸幕府の蔵書「紅葉山文庫」の保管など、蓄積型図書館としての機能を有していましたが、入館料の徴収や利用規定が設けられるなど、必ずしも、一般の人びとに向かって開かれていたとはいえませんでした。1897年、「書籍館」は、「帝国図書館」に名称変更。

 

そのかん、各々の県で、公立図書館が相次いで開館、その数は、1883年には23にも上るようになりましたが、折しも、自由民権運動の高揚期で、これに危機感をもった政府の国家統制により、閉館に追い込まれていきました。

 

地方自治体による図書館の設置が本格的に始まったのは、1899年、図書館令が公布して以来。1908年には、1892年に創立された日本文庫協会を母体とした日本図書館協会が発足。

 

日本文庫協会の創立に力を尽くした佐野 友三郎が、巡回文庫の企画や、開架制を実施。1921年には、「帝国図書館」内の文部省図書館員教習所で、司書の育成もスタートし、近代的な図書館の基礎が作られました。

 

とはいえ、戦前の図書館の体質は、一般大衆に“本を貸してやる”という官僚的な空気が長く続いていたといわれています。

 

図書館が現代のような“サービス”となったのは、第2次大戦後、GHQ内部の「CIE」(民間情報教育局)によるプロパガンダ映画「格子なき図書館」が上映されて以降のこと。

 

GHQは、日本の図書館にアメリカ流の民主主義を根付かせるべく、「格子なき図書館」の上映によって、@開架式(書庫と閲覧室を自由に行き来でき、図書を手に取って見ることができる)Aブックモービル(移動図書館)Bレファレンスサービス(司書が来館者の相談に乗り、必要な資料や図書のアドバイスを
行う)を行うCIE図書館を紹介し、@〜Bの必要性を、強く打ち出したことが、大きな契機となりました。